
「足立さん、これはどういうことですか」
「えーと・・・」
「一人暮らしの男性がこんなに食糧買い込んでどうすんです!しかも、冷蔵庫に収まりきらなくて袋に
入ったままとか・・・。どうすんですか。これ!腐らせたりして粗末にしたら、俺本気で怒りますよ!」
「・・・今だって十分怒ってるじゃん・・・」
「何かおっしゃいましたか・・・?」
「いえ何も」
「まったく、給料日までまだ大分あるというのに・・・。なんで、こんなに馬鹿買いしたんですか」
「だって、菜々子ちゃんが・・・」
「な、菜々子がなんだっていうんです」
「・・・冷蔵庫がぱんぱんになると、お兄ちゃんがおいしいご飯作ってくれるって」
「は?ぱんぱん?」
「花村君も言ってたんだ」
「え。は、花村?」
「堂島親子がジュネスで大量に買い物してると次の日は上手い弁当作ってくれるって」
「うまい弁当」
「唐揚げとか、肉じゃがに酢豚、ポテトサラダ、ハンバーグ・・・」
「・・・・・」
「僕も食べてみたいんだもん。びしそわーず・・・」
「・・・・・」
「ぱんぱんになった冷蔵庫を見たら、君の料理魂に火がつくかと思って」
「そ、そんなの普通に作ってって頼めばいい話じゃないですか!こんな買いこまなくても・・・」
「頼めば作ってくれるの?」
「ま、まあ。手が空いてれば」
「じゃあ、お願いします。この冷蔵庫が空になるまでご飯作って」
「いや、それはちょっと!」
「駄目です。約束したからね!」
「だって、あんた。空になりそうになったらまた買い足すんでしょ?そしたら、ずっと作らされるじゃないですか!」
「いいじゃない。ずっと作れば。いやー楽しみだな~。まずはあれ作って!びしそわーず!
どんな料理かしらないけど、なんかすごそうだよねー!ささ、はやくはやく!」
「おのれ、足立・・・」
ちょっと怒ってるけどまんざらでもない、主人公。
ふーん、そんなに俺の飯食いたいの。へー。あ、そう。
でもだからってこんな買いこんで・・・まったく、足立さんは・・・ぶつぶつ言いながら
ちょっとニヤけつつ飯をつくる。それを足立に目撃されて、「変な顔ー」
とか言われて「足立さんほどじゃないですよ」「んだとテメー」
「うっさい、静かに待ってろ」「嫌だ。腹減ったーーーー!!」とか言い合ってればいい。
基本的に甘めの足主が好物であります。私。
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