―悪夢の話―
「こんにちわー」
「・・・こんにちわ」
「？なんか暗くない君？しかも顔色悪いし・・・どうしたの？」
「え・・・あ、いやその」
「なんかあったの？」
「いえ、その最近寝付きが悪くて・・・夢見が悪いっていうか。
・・・たまになんですが、変な夢を見るようになって・・・」
「変な夢？どんな？」
「えーと・・・」
「話づらい内容なの？そういうの抱え込んでるとますますストレスになって
寝付きが悪くなるよ？どれどれ、お兄さんに話してみなさい」
「あのー・・・その、なんていうか。夢の内容をおぼろげにしか覚えて無いんですけど、
その何者かが俺の服を脱がしてくるんですよ」
「服を？夢の中には君以外の誰かが出てくるわけ？」
「そうです。そいつが俺の服を脱がして・・・さ、触ってくるんですよ」
「触る？どこを？」
「だ、だから体を！・・・肩とか腹とか・・・む、胸とか」
「触られるだけ？他にはなんかされないの」
「・・・ちょっと、も、揉まれたり」
「ふーん。女じゃないから揉まれたってたいして気持ちよくないでしょ？」
「・・・えーと。まあ、はい・・・」
「微妙な反応だねー。他には触られたりしないの？」
「・・・あ、足とか・・・あと・・・こ、こ」
「もしかしてち「違います！足の付け根です！」
「わかったよ。そう怒鳴んないでよ。で、そこも触ったり、揉まれたり？」
「は、はい」
「うーん。それって欲求不満のあらわれなんじゃないかな？」
「欲求不満・・・」
「そう。ほら、君思春期真っ盛りなわけじゃない？
普段は君もクールに振舞ってるようだけど、気づかずうちにいろいろ溜めこんでるんじゃないかな。
若いんだから多少遊んだっていいと思うけどなー。時には羽目外しちゃって、
おおいに発散してメリハリつけるのも大事だと思うよ、僕は」
「・・・なんか足立さんがそういうこと言うとは思いませんでした。意外です」
「それ褒め言葉としてとっておいていいかな」
「はい。なんか話したらちょっとすっきりしました。ありがとうございます」
「いえいえ。また何かあったら遠慮なく言ってよー」
「はい！・・・本当にありがとうございました！それじゃ、俺買い物の途中なのでこれで・・・」
「うん。まったねー」
「さようなら」


「ふー。・・・・・んだよ、あのガキ起きてたのか。
俺のこと覚えてるんじゃないかってヒヤヒヤしたじゃねーか。今度はもっと強めの薬用意しとかないとな」

今回の足立さんは生粋の犯罪者思考で、堂島さんがおうちに帰れない日（不法侵入）や堂島家にお邪魔した日を狙って主人公に悪戯三昧をしております。密かに薬を盛って。
犯罪駄目絶対！